温泉浪漫の旅―文学に登場する温泉をご紹介いたします


挿絵:金森 達
文学を訪ねる温泉紀行 
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第3回 伊香保温泉(群馬県渋川市)

伊香保温泉は万葉集に詠まれ、文人墨客が訪れるなど歴史ある温泉地である。360段もの階段の温泉情緒ある温泉場として、小説や映画の場面によく出てくる。幸田露伴、寺田虎彦、萩原朔太郎、与謝野晶子、島崎藤村、芥川龍之介らが訪れた。竹久夢二は大正9年、永遠の恋人彦乃を亡くし、以後煩雑に榛名・伊香保温泉を訪れた。彼の生き様や作品群は「竹久夢二伊香保記念館」に収められている。明治の文豪徳富蘆花の代表作「不如帰(ほととぎす)」は、日清戦争の時代、封建的家族制度の中で繰り広げられる夫婦(武男と浪子)の物語で、明治31年に国民新聞に連載された。伊香保温泉の宿で執筆された作品で、伊香保温泉の一室から物語が始まっている。 林芙美子の作品「浮雲」は、昭和18年フランス領インドネシアから始まる幸田ゆき子と農林省役人富岡憲吾との男女のやるせない関係を描いた作品である。厭世観に襲われた二人が心中しに伊香保温泉に来た場面が描かれている。情緒豊かな伊香保温泉街が男女の関係を描くにふさわしいのだろう。


《伊香保温泉の宿》

伊香保温泉 ホテル木暮 旅と温泉の相談室ホテル木暮(群馬県渋川市)
天正年間創業の歴史を誇る老舗旅館。豊富な湯量が自慢。26の湯めぐりで掛け流しの湯が楽しめます。源泉を独り占めできる露天風呂付客室もおすすめ。

露天風呂付客室のある温泉宿

《INDEX》

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