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挿絵:金森 達
文学を訪ねる温泉紀行 
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第4回 阿寒湖温泉(北海道釧路市阿寒町)

天然記念物のまりもで知られる阿寒湖温泉は、阿寒湖南岸に広がる北海道有数の大温泉地である。遊覧船が発着する湖畔には、ホテル群や土産物屋が立ち並ぶにぎやかな温泉街を造っている。大自然に囲まれ、アイヌコタンなどではアイヌ民族の伝統や儀式保存の努力がされている。
阿寒湖畔を舞台にした武田泰淳の小説「森と湖のまつり」は、滅び行く民族アイヌの誇り高き激情の青年風森一太郎と女流画家佐伯雪子との交流を縦糸に、シャモ(倭人)とアイヌ、アイヌ同士の差別問題を正面から扱った小説である。高倉健、香川京子主演で1958年に同名小説の映画化された。原田康子は、昭和24年から釧路の女流新聞記者で、文学同人誌に道東を舞台にした多くの短編を発表している。伊藤整や臼井吉見らの絶賛を受け、空前の70万部というブームを巻き起こした「挽歌」は、霧の街・釧路を舞台に、敗戦による失意でいる建築家桂木と兵頭玲子との不倫の愛を描いた。「虹」は阿寒湖畔でおきた心中事件に遭遇した女子画学生が大人に成長する過程の恋愛を描いた作品である。

《INDEX》

第1回 湯ヶ島温泉第2回 道後温泉第3回 伊香保温泉|第4回 阿寒湖温泉|第5回 城崎温泉第6回 別府温泉
第7回 かみのやま温泉第8回 湯河原温泉 | 第9回 山代温泉第10回別所温泉第11回東山温泉第12回三朝温泉

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