温泉浪漫の旅―文学に登場する温泉をご紹介いたします


挿絵:金森 達
文学を訪ねる温泉紀行 
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第9回 山代温泉(石川県加賀市)

山代温泉は、加賀温泉郷の代表的な北陸最大の温泉地である。歴史は古く今から約1,300年前に僧行基による開湯伝説がある。江戸藩政時代からの共同浴場「山代温泉御殿」などの歴史的史跡や300年前古九谷を再興した九谷焼きで有名である。 泉鏡花の「みさごの鮨」は、山代温泉を舞台に大正時代の温泉町の人情話を描いた。山本周五郎の「虚空遍歴」は、江戸時代に人形浄瑠璃師を目指す主人公の冲冲也が諸国遍歴の果てに湯治場・山代温泉にたどり着く。「日本百名山」をはじめ山の文学で知られる深田久弥は、今の加賀市出身である。 水上勉の「あかね雲」は、昭和12年頃中国大陸での戦線拡大の時期、病身の父を持つ貧しい商人宿の女中まつのは外交員の小杉の勧めで、景気の良い山代温泉に行く。水商売に染まるまつのと小杉との仲を心配する友人の律子、のちに小杉が脱走兵であることが知れ、猪俣憲兵少尉に捕まる。水平線の彼方にあかね雲がまつのの目に映る。1967年に松竹で映画化された。


《山代温泉の宿》

ゆのくに天祥(石川県加賀市)
多彩な温泉と郷土料理が自慢の宿。趣向の違う3つの大浴場で歴史ある山代のいで湯を満喫できます。施設は「身体にやさしい」をテーマとしたバリアフリー。趣向の違う3つの大浴場で18の湯めぐりをお楽しみください。

《INDEX》

第1回 湯ヶ島温泉第2回 道後温泉第3回 伊香保温泉第4回 阿寒湖温泉第5回 城崎温泉第6回 別府温泉
第7回 かみのやま温泉第8回 湯河原温泉 | 第9回 山代温泉|第10回別所温泉第11回東山温泉第12回三朝温泉

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