マツノヒデマサの海外温泉巡浴の旅
台湾温泉巡浴6ヶ所 2004年1月3日〜6日 2日目 |
1月4日(第二日目) 6時半でも未だ薄暗い。モーニングコールで親父は「シャッターを自分で開けて、出かけてください」昨日列車に乗車中、時刻表で散々悩んで考えたスケジュール、つまり東海岸沿いの一軒宿/瑞穂温泉、紅葉温泉にいく。6時58分発の蘇澳駅から新站蘇澳に乗り換え東海岸沿いに大理石の生産地で有名な花蓮に行き、そこで8時25分発自強号に乗り換え瑞穂(9時34分着)まで。新站蘇澳での乗換え時間がないので、そこをうまくクリアできるかが心配だった。まず切符売り場で、花蓮まで122元の切符を購入。乗換えを駅員さんに念を押される。車両に乗り込むと、座席まで駅員さんが私の前の青年に「前の日本人が次の駅で乗り換えるから、乗り場を教えてやってくれ。」(というようなしぐさ)戻ると、今度はこの列車の車掌が来て、同じことを話しに来た。周りの人たちは「わかってる、わかってる」(というようなしぐさ)次の新站蘇澳駅で青年に指示してもらい、隣のホームを一目散。3〜4分遅れだが、何とかセーフ。「ひょっとして私の乗換えを確認するまで待ってくれたのか?」と思えるほどの世話焼きぶりだった。感謝感謝である。列車が遅れているので花蓮では切符を買っている時間がないので、切符を買わずに乗り込む。車掌は私が料金の146元を支払う時に、わざわざメモ用紙に「瑞穂Go off 下車時間9:33」と書いて渡してくれた。 手前の水風呂は3m×5mの水浴び用、奥に茶褐色の5m×9m、木の縁で囲まれた大きな湯船だ。手前の木の樋から流れ落ちる豊富な源泉が掛流されている。湯船の湯は溢れて、川に捨てられる。
階段上の右手には14部屋の個室風呂が並ぶ。泉温は48度で近くの山中から動力で引かれている。泉質は含鉄性塩化炭酸ナトリウム泉で、効能は通風、胃腸病、婦人病、運動麻痺、皮膚病など。とても泉色が濃くいかにも効きそうな感じがする。誰もいないので、水着を着なくとも良いようだが、運転手が時々視線を凝らしている。受付の李武成(リーオーツァン)氏は、この山荘は日本統治時代に建てられた警察療養所「滴翠閣」を改築したもの、日本の有馬温泉と同泉質であることを檳?(びんろう)で不気味に真っ赤にした口で話す。 運転手を待たせているので、外温泉といわれる瑞穂温泉を後にして、内温泉といわれる紅葉(ホンイェ)温泉に向かう。紅葉温泉はここからわずか2キロ先で、バナナやパパイヤ、とうもろこしなどの畑を縫ってタクシーは走る。紅葉(コーヨー)は、アミ族の言語で、「山猫」を意味するという。紅葉渓という川を大きな橋で渡るとすぐに一軒宿の紅葉温泉旅社に着く。 広い敷地の正面に昔の小学校のような築60年を越す木造平屋建ての建物が広がっている。緑いっぱいの山を背景に朱色の屋根がとても目立つ。入り口の若い女性の受付で、入浴料80元を支払う。日本語の話せるおばあさんがいると聞いたが、会えなかった。ここは瑞穂温泉と異なり、若いアベックやグループのお客さんがひっきりなしに来る。 奥には14個の個室温泉と大露天風呂がある。勿論露天風呂へ行く。4m×6mに広さの湯船が3つあり、奥には打たせ湯が3ヶ所ある。水着に着替えていくと、すでに5人の年配のお客が思い思いの姿態をしている。打たせ湯に頭から打たれている男性、湯船の間にうつぶせに寝ている女性、ご夫婦で談笑しながら入浴している人・・。天気がよく、とてもまぶしい。なんとか写真を撮りたかったので、他の人が入らない角度で「写真を撮ってほしい」と男性に頼んだ。すると「あそこの蛇口をひねろ」というので、コックをひねると水のシャワーで「うわー。つべた〜い!」と大声を上げると他の客に一斉に笑われてしまった。
50度から70度の無臭無色透明の炭酸水素ナトリウム泉で、湯量豊富。ここもかけ流しで飲泉もできる。効能は神経痛、皮膚病、婦人病など。部屋は民宿風の扇風機付の6畳和室、新館でエアコン・TV付ダブルベットの洋室がある。
予定の時間よりも早く瑞穂駅に戻り、運転手に420元を支払う。11時11分の自強号に乗り、台東まで行き、緑島(リータオ)へ行くことに決意。それまで途中の安通温泉に寄ろうかとも考えたが、離島へのアクセスが全くわからないので、余裕を持って行くことにしたのだ。 台東駅12時48分着、すぐタクシーで富岡港に向かう。私は全くの勉強不足で、緑島へは飛行機も船も富浦港から出るとばかり思い込んでいた。カウンターで、「Air Plane はないのか?」と身振りで言うと「None」で、「高速船が13時スタートで、リターンは明日14時しかない」往復800元だというので「それしか方法がないのなら、仕方がない。なんとかなるサ」とあわてて支払い、乗り場への迎えのバイクにまたがる。シーズン期は1日4便だが冬期は1日1便だそうな。 緑島への高速船で40分、台東から東へ33キロの就航だ。地元の人がほとんどで、出発するとみんな椅子席に横になって寝ている。どうしたのかな〜と思っていると、すぐに大きなゆれに見舞われた。「あ〜これはすごい!」昨年11月、仕事で宮城県の女川から金華山への30分の高速船のゆれを思い出した。それ以上のゆれで、今の時期の波がとても荒いのだそうだ。げろを吐く用意のビニール袋を握り締めての悲惨な寝姿。緑島の南寮港に着くと、ふと空を見上げると飛行機が島へ下りてくる。「なんだ、飛んでるじゃないか。」とまだ気づかないボケ振りの私だった。迎えの人並がすごい。家族の迎えか荷物を待つのか。日本人や観光客はいない。すぐにバイクのおばさんが声をかけてくる。宿の客引きか?ガイドブックに格安でオーナー夫人が日本人という賓島国際渡假村に宿泊すれば、なにかと楽かなと思い、その宿の送迎車を見つけて運転手を待った。 島の人口は2800人、島を1周する環島道路の周囲は20.3キロで海底・朝日温泉は港周辺の反対側にある。港から北東へ3キロ、10分も走ったところにその宿があった。宿で明日の飛行機のフライトを聞き、9時発の予約を取ってもらい、高速船の帰りのキャンセル手続きをしてもらう。 すぐに「島内の観光にバイクが必要でしょ。バイクは半日300元です。乗れますか?」という。バイクなんぞ、ここ30年も乗ったことがない。「50ccのバイクか?」と聞くと担当の二人が相談して、「これならどうか?」と物置から50ccのスクーターのような小さいバイクを出してきた。「試乗してみろ」というので、乗ろうとすると、そばにいた真っ黒の犬が、そろそろと近寄り、バイクに足元のステップに乗り込んでくる。「なんだ、こいつは。なれなれしいな」このバイクは、オーナー夫人のつまり飼い主のバイクなのか。 とにかく、部屋に荷を置き、すぐに島の反対側にある海底温泉・朝日温泉入浴に出発!緑島は昔、火焼島と呼ばれた。漁に出た船が迷わないように島内の火焼山(標高280m)で火を炊いていたことからという。西海岸から回り、亀湾鼻など奇岩やサンゴ礁などの景観を見ながらの快適な走行。最南端の朝日温泉に着く。公園に整備されていたが、ちょうど工事中だ。受付で30元を支払う。オフシーズンだから工事なのか、観光客は皆無。海底温泉を遠方に見下ろす方向に、装飾立柱が並ぶ。事前に水着を着込んだまま、念願の海中温泉に行く。サンゴ礁の間から湧き出るという温泉で、日中は潮の関係でとても熱くて入浴できないと聞いていたので、「ひょっとしたら、しばらく夕方まで待つようかな」と思っていた。石造りの段差のある円形の湯船が3つあり、それぞれに温度が異なるが、ぬるいではないか。海に近いところほど、ぬる過ぎてとても入ることができない。しかも岩や石に藻が付着しているのか汚れているのかぬるぬるして気持ちが悪い。とにかく2ヶ所には入浴してみた。 湯船の中央にある鉄管から湯が出ていたり、岩からぷくぷくあぶくが出ている。もっと島側の岩礁に湯が湧き出るところがあるらしい。 泉質は硫黄泉で53度から93度、海水が混じるせいか塩辛い。効能は神経痛、筋・関節痛、慢性皮膚病、婦人病など。2001年に東部海岸国家風景区管理処が6,000万元を投資し、また温泉の経営権を持つ烏来巨龍リゾートが600万元を投資して、露天風呂やスパ施設を増設した。入場料金は大人150元、小人130元だが、10月末までの営業。オフシーズンだから野天の入浴料だけで済んでいるのか。それとも工事中だからかはわからない。 島をさらに東部へバイクを走らせ、有名な二つの奇岩、睡美人岩と哈巴狗岩が展望できる海参坪(ハイサンピン)の展望台で眺望を楽しむ。途中に人権記念公園があり、そこにはかつてこの島の刑務所で、無実の政治犯が収容された過去を忘れない為に造られたもの。高い塀や監視所、鉄条網など見るだけでも緊張する。 一周して宿舎に戻ったのが17時で、夕食がついていないので、宿でレストランを紹介してもらう。 18時からの営業という池塘有魚レストランに向かう。バイクは良くわからないが、左手指でライトのスイッチを押さえないとライトがつかない。レストランには客は誰もいない。中国語対訳本を見ながらの注文だが、食材が無く、結局海鮮スープ、イカの細切り炒め、イカのミンチ揚げ、小海老の辛子揚げ、五目焼きそば。1人の食事は多くの種類を食べたいが、量が多くて食べきれない。客がいないから、店の欠点ばかりが目に付く。ハエがぶんぶん寄ってくる。従業員が隣の席でウーロン茶を飲んでいる。脚を投げ出して、携帯メールを打っている者。そのうちにオーナーらしき人が来て、従業員で会議が始まり、大声で話し始めた。2人連れの地元の客が来ると、会議はぴたっとやめ、解散した。
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