2005年1月27日〜28日 |
近年、癌に効くとマスコミに騒がれる岐阜県ローソク温泉周辺の取材をと思って、温泉巡浴に出かけた。距離にして約350キロ、車で朝6時30分に家を出る。恵那地方は、14年ぶりの巡浴か。恵那山トンネルを抜けると中津川。かつて恵那山(標高2,191m)を登山したとき、たまたま恵那山神社奥社(山頂にある)に詣でた宮司さんと山頂で一緒になり、「せっかくだから、記念に写真を撮りましょう」とわざわざ正装をしてくれたことを思い出す。 まず、一番手前の中津川北部にある苗木温泉。 国道257号線、中津川道路を渡って直ぐの街道沿いに、かすみ荘があった。12.8度の放射能(ラジウム)泉で、この地で43年間営業をしており、客室は27室(6畳和室9R、8畳和室16R、16畳和室2R)でかつては、湯治客で賑わっていた様子だ。
アクセスは、車で中央自動車道中津川インターから10分。JR中央本線中津川駅より、北恵那バス付知行きで苗木下車、徒歩20分。他にじゅうろく荘が民宿を営業しているが、宿泊客がいないときは入浴が出来ない。 宿泊料は、1泊2食付8,000円より、素泊まり5,000円、食事なしで1日入浴2,000円、入浴1回500円 岐阜県中津川市苗木3740-18 TEL0573-66-5674 天然ラジウム温泉 かすみ荘 西へ8キロほど15分も走ると恵那峡の北、薬研山南麓にある1軒宿・岩寿(いわす)温泉に着く。 客室30室の大きな旅館で、平日なのに日帰り入浴客がいっぱいで驚く。1,000円以上の食事をとると 入浴料は無料というシステム。客はそれぞれ広間に案内され、昼食を頼み、その前後に入浴する。 男女別大浴場、露天風呂、家族風呂3ヶ所、露天家族風呂1ヶ所ある。大浴場に隣接して、露天風呂は半分屋根付で石造りの湯船と檜作りの2ヶ所。 15.4度のラドン温泉で、湧出量は毎分8.6リットル、ラドン吟有量は39.94キュリー(10.98ME)
岐阜県恵那郡蛭川村一色 TEL 0573-45-2188 岩寿温泉 岩寿荘 同じ村の「天然ラジウム東山温泉」に移動する。 鳶岩巣山麓の一角に民家風の一軒宿で、結構入浴客が出入りしている。「くつろぎの里 観音の湯」として知られる。
宿泊料は1泊2食付で7,000円より。 岐阜県恵那郡蛭川村一の瀬 TEL 0573-45-2526 天然ラジウム 東山温泉 5分も走ったところ噂のローソク温泉に向かう。 ところどころに「日本第一・天然ラジウム温泉 湯之島ラジウム鉱泉保養所」の看板があり、判りやすい。入り口近くの駐車場は、入浴客で満車。入り口のローソク形の白い門柱が印象的。ようやく出た後に駐車して、14時30分に受付へ。
12.5度のラジウム温泉で、毎分湧出量は、毎分1.15gで極めて少ない。これでは大きな湯船ではとても無理だ。ただ、ラジウム含有量は、1510、2010キュリーで、周辺ではダントツの高濃度。最近特にマスコミで紹介されているため、2月いっぱい満室で予約が取れないほどの賑わいを見せている。湯の汚れがアレでは、自慢のラジウム温泉も逆効果ではとの心配が募る。このラジウム温泉は、戦国時代、武田信玄に追われた落ち武者が傷を癒したのが最初とされる。大正13年名大医学部教授林直助博士がこの地湯之島に入り、ラジウム開発の研究がされた。日本屈指のラジウムであることに注目し、「この温泉を社会に有効に出せ」との希望で昭和20年に温泉湯治を営業する。俗化させないため昭和58年までローソクを灯していたことから、ローソク温泉の名が定着した。6万坪の敷地を活用し、大自然の中、入浴と適度な運動、自家温泉農園を活用した健全な食事を奨励している。 効能・浴用は、慢性関節リウマチ、尿酸素質、腰痛、神経痛特に坐骨神経痛、創傷、痛風、皮膚病、貧血症、婦人病、尿路結石、消化器病、高血圧症、胆石、動脈硬化症など。飲用は特に胃腸病、糖尿病、便秘、貧血症など。 宿泊料は、1泊2食付9,450円〜10,500円 日帰り入浴料は、一般1,000円、小学生600円、幼児300円 営業時間午前9時30分〜午後5時まで(毎月1、21日休業) 岐阜県恵那郡福岡町高山2200の2 TEL 0573-72-5047 湯之島ラジウム鉱泉保養所 ローソク温泉 ローソク温泉を15時に出て10分。南下して、木曽川の渓谷美を見せる恵那峡船乗り場そばの恵那峡湯元温泉・恵那峡国際ホテルに到着。 恵那峡屈指の収容とロケーションを誇るホテルだが、平成2年4月、地下1,000mまでボーリングし湧出した温泉で、泉質は34.7度のカルシウム・ナトリウムー塩化物泉。本館フロントで入浴料800円を支払い、大浴場へ向かう。 美しい恵那峡を眺望できる大浴場内湯と露天風呂である。ナトリウムとカルシウムの濃度が極めて高い温泉で、無色透明、かすかに硫黄臭がある。
効能は、神経痛、筋肉痛、関節痛、運動麻痺、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、皮膚病など。 個性的な宿泊施設に泊まりたいと、ラジウム温泉で瑞浪に化石風呂があるあけ世温泉観月荘に予約を入れた。 中央道恵那インターから18キロ1区間瑞浪インターで降りる。わずか2キロ走る土岐川の支流日吉川河畔にある1軒宿に着く。瑞浪市化石博物館のすぐ近くだ。瑞浪市はかつて土岐川河原から2000万年前の化石が出土することで、化石博物館が市の有力な観光資源となっている。このホテルもそれにあやかった男子大浴場の壁に化石の岩板を貼り付けた。 巨大なスパイラルスライダー付プール
別館食事処桔梗亭
瑞浪市明世町月吉 番号 0572-68-4035 あけ世温泉 観月荘 2005年1月28日(金)7時30分に朝食、フロントで稲荷温泉の営業時間を聞いてもらうと、日帰り入浴時間は11時からという。8時30分にまず白狐(びゃっこ)温泉に出発。
瑞浪から南東にある山岡滝温泉へ行ってみたが、11時からの営業とかで諦め、稲荷温泉不老荘に向かう。20.5度のラジウム温泉でお稲荷さんの境内直ぐそばにある。まだ時間があるので、お賽銭をあげ念入りにお参りをする。10時50分ごろに訪ね、入浴をお願いする。
岐阜県瑞浪市稲津長小里555 稲荷温泉 不老荘 番号 0572-68-3214 白狐温泉に行く途中に見つけた、国道19号線沿い近くの瑞浪の湯たかさごに向かう。 1992年の開業で7年前に改装された、まだ新しいスパ施設。入浴料は800円、バスタオル、フェイスタオルがつく。36.2度のナトリウム・カルシウムー塩化物泉で毎分90gという湯量豊富。内湯大浴場は見晴らしの良い湯船、薬草風呂はゲンショウコの香りがする茶褐色の湯船、隣接して岩風呂庭園風露天風呂がある。
瑞浪の湯 たかさご 番号 0572-67-3500 これまでで9ヶ所の温泉入浴、きりよくあと1ヶ所と高速で移動して中津川インターで降りたくつかけの湯温泉に行くつもりでいた。時速120キロくらいで気分よく飛ばしていると、前方をトップで走っているトラックの横に併走していた乗用車が突然、屋根の上に救急灯が出て、サイレンを鳴らした。「あっ覆面パトカーだ。」トラックとパトカーはしばらく並走してから、中津川インター出口へ降りていった。つい先日免許書き換えの通知が届いたばかりの「ゴールド免許」の文字が頭をよぎり、とっさに中津川インターを降りるのを止め、通過してしまった。という訳で、今の1泊2日の温泉巡浴は9ヶ所(日本全国温泉1096湯)で帰ることになった。(2005.2.1 マツノヒデマサ記) |