マツノヒデマサの温泉巡浴の旅 |
2005年9月19日〜20日 |
埼玉県の療養温泉取材の目的で、1981年に入浴した柴原温泉に出かけた。そのときは柳屋旅館だったが、今も療養客を受け入れている菅沼館に連絡を取ると満室で受けられないという。とにかく行ってしまえというので、とりあえずまだ入浴していないところに行こうと出発する。 @ まずは、秩父と長瀞の中間にある和銅鉱泉へ。ここはかつて長瀞から秩父へバスで移動する時に必ず通った国道140号線沿いの温泉で、私はすでに入浴していたと思っていた。たまたま11月13日に送客する予定の宿だったので、下見も兼ねて丁度良かった。平成17年3月にプレオープンしたところで、真新しい。入浴料はサービスしていただいた。大浴場は石造り、露天風呂は檜造りだ。 A 20分のところにある満願の湯へ向かう。満願の湯は、2002年10月に飲む温泉水として取り扱いをしていたが、温泉地を訪ねるのは初めてである。奥にある温泉スタンドへ行くと、車で来たお客が6個〜8個のポリ容器に自動販売機のノズルから注入している。20@100円で、温泉スタンドは100円硬化用と500円硬化用の3基がある。事務所にはポリ容器や地元の農産物なども販売している。温泉水担当の小笹さんを訪ねると。「今日は休日で、ウォーターパーク長瀞に手伝いに行っています」という。 「満願の湯」は日帰り入浴施設の他、温泉スタンド、温泉水販売、キャンプ場やバンガローと多角経営をしている。日帰り入浴施設(入浴料650円)は、駐車場が満杯なほどの盛況で順番待ちだ。1988年に地下603mから湧き出した源泉18度PH9.5の強アルカリ性の単純硫黄冷鉱泉。浴用は神経痛、筋肉痛、五十肩、慢性消化器病、慢性皮膚病など。飲用で糖尿病、痛風、便秘などの効果が期待される療養泉である。浴室は石造り大浴場と隣接する対岸の瀧を展望できる露天風呂がある。冷泉の源泉を加熱しており、肌つるつる感がとても強い。 秩父市内を通過する前に、蕎麦屋「典心」で天ざるそばをいただいた。秩父は蕎麦の名産地だそうで、いたるところに蕎麦屋の看板が目立っていた。 B 事前に電話をすると入浴料が800円で白樺樹液ジュースのサービスがあるという。巴川温泉は松風亭と巴川荘の2軒があり、今日は巴川荘に入浴をお願いした。 狭い入り口に車を止め、電話に出た若い男性ではなくお母さんの方が応対に出た。旅館は古く、客室を限定して使用している様子だ。横1.5〜2m、縦4mの湯舟は古代檜造りの見事なもので、やはり浴室は木の肌触りが一番と実感する。泉質は、16度の単純泉で、効能は神経痛、リウマチ、腰痛など。浴後、若主人が帰ってきて、白樺樹液ジュースをいただきながら、彼のきのこ談義を拝聴した。 C 一山越え、左手が柴原鉱泉、右手がクアパレスおがの(温泉)で、近代的な建物のクアパレスおがのに入浴料800円を支払って入浴したが、後で調べるとここが町営だった頃、2,000年7月にすでに入浴していた。17.5度の含硫黄-ナトリウム‐塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉。 さらに100mほど下ったところに、おがの温泉大竜寺源泉「梁山泊」があることがわかった。アルカリ泉・メタホウ酸・メタケイ酸で、浴室は総大理石造りで、窓外には竹林が見える。ここは後に行く、小鹿野町中心地にある本陣寿旅館と同じ源泉であった。こちらは女子用がひょうたん風呂で、男子用は湯船が二槽あったが、なぜか応対のおばあさんは私にひょうたん風呂のある女子用風呂を勧めた。男子用も湯が張ってあったのに。つまり二ヶ所無駄に入浴をしてしまったことになる。 おがの温泉の後に、赤平川温泉の赤平ホテルにも行ってみたが、ホテルはシ〜ンとして営業をしていないようだった。 D 西の荒川村に移動し、日野温泉郷のひとつ、白雲荘へ向かう。鳩の湯温泉・鳩の湯は1,981年と1,988年に入浴したことがあるので、ここはパス。日帰り入浴客は1階の何の変哲もないタイルと石造りの風呂で、パンフレットに満載している木造の浴槽や露天風呂は利用できなかった。浴室で清掃に来ていた男性に声をかけてあれこれ質問をすると、後で彼が「ひょっとして旅行会社の松野さんですか」と聞かれる。そう言われて「そういえばどこかで会ったような」と意外な出会いがあった。 いよいよ宿泊予定の柴原温泉へ。但しここは1981年12月に柳屋旅館に入浴した記録があるので、新たな入浴記録には加算されない。朝に満室とお断りされた菅沼館にまず行って見る。この旅館は柴原温泉で唯一300年の伝統を持つ湯治専門の宿。泉質は河原から湧き出る単純硫黄泉で、今も河原に寄るとかすかに硫黄臭がする。奥のなだらかな坂道を行くと木造の2階建ての旅館が建つ。「ゴメン下さい」と声をかけると奥様が見えられ、やはり今日はだめだとか。休館日にしたらしい。昔の旅籠屋の風情で部屋数8室、25名の収容で10年〜20年来の常連客が多いと言う。神経痛、リウマチ、腰痛、胃腸病、筋肉痛、疲労回復などに効能がある。手前は400年の歴史を持つ柳屋で木造の二階建てで、12室・収容64名の宿、檜風呂、露天風呂もあると聞くが、電話をしても留守だった。 さらに手前に築10年の木造2階建てのかやの家がある。今日はここに投宿することになる。ここの自慢は、かやの木風呂と露天風呂である。かやは碁盤などに利用され、昔から高血圧や中風の予防になると言われる。内風呂は手前の小さめの1.5m×1m浴槽は熱め、左奥の大き目の2.5m×1.5m浴槽は温めで、露天風呂は8角形のかやの木風呂だ。 客が少ないのでどちらも湯船を独り占めだ。周りは山々で大自然の湯宿だが、近くに目をやると電柱や電線が気になる。そこまで要求するのは贅沢か。 お部屋は2階の最奥の角部屋で10畳和室トイレ付。夕食はお部屋に運んでくれた。お酒は冷酒であっさり系の秩父錦の生酒。里山のくるみなどの前菜、長芋、しのぎに混ぜご飯、ソーメン南瓜のバター添え、太目の鮎の塩焼き、岩魚の姿造り、ミントゼリーにいちじく、山菜天ぷら、鴨肉のお吸い物、雑炊、デザートにぶどうと梨。女性客に好まれるメニューと思う。 食後、又、大浴場に行くが誰にも会わなかった。贅沢な時間を過ごさせていただいた。部屋から浴場までの行き来のランプ明かりの照明がまた風情を演出する。 翌日7時30分頃の朝食をと頼んだが、結局7時50分になってしまった。最近年のせいか、5時間で目が覚めてしまう。早起きなので、8時の食事はお腹が持たない。 今回9ヶ所を訪ねて8ヶ所に入浴したが、1ヶ所が営業停止、2ヶ所はこれまでに入浴したところとわかったので、新たに入浴記録に加算されるのは、5ヶ所になる。通算して1,143湯になる。(2005.9) |
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