マツノヒデマサの 療養温泉突撃取材記

玉川温泉 大噴 旅と温泉の相談室
玉川温泉
ホテル詳細
新玉川温泉
ホテル詳細
(秋田県仙北郡田沢湖町)

●温泉泉質 酸性―含二酸化炭素・アルミニウム・鉄(U)塩化物泉(低張性・酸性・高温泉)
●温泉効能 神経痛・リウマチ・胃腸病・糖尿病・皮膚病・循環器疾患など
●湯治療養 飲泉可・看護師常駐(湯治相談)
玉川温泉のみ自炊部あり

情緒ただよう「癒し」の湯
古くから万病に良いといわれた玉川温泉

 2004年5月05日ゴールデンウイークの後半、夜行バス・レンタカー・新幹線を乗り継いで北東北温泉巡りの旅に出た。前泊の青荷温泉を出発して夕方に新玉川温泉に向かう取材記である。国道341号線を南下し、連続するカーブを繰り返す。突然、雑木林の残雪に放置してある黒塗りの自動車が現れて驚く。中に人がいるんじゃないだろうな、と心配しながら玉川温泉に着く。新玉川温泉はすぐ隣だと思っていたが、2q先の山向こうだという。

新玉川温泉 食堂 ようやくたどり着いた新玉川温泉は、玉川温泉の源泉を引き湯し、1998年にオープンした設備の充実したバリアフリーの宿。ぶなの森深く、心と体を癒すにふさわしい新しいタイプの湯治宿だ。案内してくれた若い女性に「入浴の前後に必ずかけ湯をしてください」と注意される。ここならではの独特の案内である。部屋はバス付きの10畳和室。ほかにツイン・シングルの洋室もある。

新玉川温泉 大浴場 早速大浴場に行く。源泉は源泉98度の強酸泉で、神経痛、リウマチ、胃腸病、糖尿病、皮膚病、循環器疾患等、また各種のがんの治療に効果があることでよく知られている。大浴場はヒバの太い木組みの浴舎で、実に豪快な造り。手前に温水のかけ湯を言われたとおり、体全身にまんべんなくかける。かけ湯は「お湯をなじませる」「貧血を防ぐ」「湯ただれ(皮膚炎症)を防ぐ」という理由がある。まず、源泉100%の湯船に入る。湯治客は我慢して長く入っていると聞いていたので、相当熱湯だとばかり思っていたがぬるかった。だが、強酸性のためじきに体がぴりぴりしてくる。「我慢していたのは、この痛さだったのか!」と納得。他に源泉50%湯、箱蒸し湯、頭侵湯、蒸気浴、打たせ湯がある。箱蒸し湯は温泉蒸気により全身を温め発汗作用を促し、神経痛やリウマチに効果があるそうだ。頭浸浴は浅い浴槽に横になって温めの湯で頭を浸すことで、ストレス解消、鎮静、不眠症に効果がある他、脳の活性化を促すという。ひとつひとつが療養の目的別に考えられている。
 隣接して、露天風呂と温熱浴がある。温熱浴は床から温泉の熱が出て温める効果を利用したもので、テントがいくつか張られ、その中に横たわる人がいる。玉川温泉の岩盤浴の代替施設ということのようだ。飲泉を試してみたが、すごく塩辛い。これでも源泉50%なのだが、5倍に薄めて1日に1〜2回、食前30分に一口ずつゆっくりと飲むようにする。強酸性のため、歯に影響があるので、飲泉の後は必ずうがいをしたりして、歯が変色をしないよう気をつけなければならない。
→飲泉のすすめ

  夕食は午後6時から二階の280席のバイキング会場で。タラ芽胡麻流し、豚肉年輪巻き、みぞれ酢、海草鶏皮、竹の子落とし山ウド、フキ香り煮、ほうれん草饅頭、メロ・カマ照焼き、海老ときす春巻き、甘エビの大根・大葉添え、比内地鶏の団子、地鶏香味焼きなどヘルシーなメニューの数々。いずれも愛でながら、美味しく賞味できる。「糖尿病を何とかしたい…」「俺がガンと告知されたとき、どう思ったんだよ…」食事中ここならではのお客の会話が聞こえてくる。湯の力を信じ療養のため長期滞在される方も多い。

玉川温泉 自然散策路  翌日5月6日、朝6時に玉川温泉に車で移動し、散策に出かける。もうすでに自然散策路は、岩盤浴に向かいござを抱えて歩いている人たちが行きかう。ここでは世界でも他には台湾しかないといわれている特別天然記念物「北投石」の生成が見られる。普通の石の千倍から一万倍もの放射能を持ち、昔から薬石と知られ、あらゆる疾病に有効であるとされている。
 川沿いに上流を登っていくと、大噴(おおぶき)と称する98度の熱湯が50センチもの高さに吹き上げている様には、驚嘆!毎分9,000リットルと言う湧出量が日本最大の規模が目の前で実感できる。世界でも珍しい塩酸を主成分とした強酸性の泉質で、ラジウムを大量に含有し、医学的な見地からも数々の効能が認められている。この神秘の力は地底のどこから来るのか?周辺は硫黄臭と湯煙がたなびき、全国から訪れた湯治客が歩道や岩盤に横たわる姿やテントにも違和感は無い。

玉川温泉 露天風呂 自然散策路の左手下に3m四方の白濁した露天風呂があり、入浴しようとしている男性に「一緒に入ってもいいですか」と断り、私も手早く洋服を脱ぎ、さっと湯に沈んだが、以外にぬるい。底に硫黄を含んだ砂が溜まっている。大阪から来たO氏は体に湿疹で赤くなった肌を湯に浸す。しばらく温泉談義で過ごす。彼は新玉川温泉に湯治で1週間滞在しているという。
 玉川温泉館内の大浴場に移動し、入浴料を支払う。外来客は午前7時からだが、宿泊客は午前0時から午前3時までの清掃時間以外はいつでも入ることができる。ヒバの大木をふんだんに使った豪快な湯船は新玉川温泉と同じだ。新玉川温泉の方が少し広い感じがする。かけ湯をしてから、100%源泉の湯船に入るが、やはりすぐにぴりぴりして50%源泉の湯船に移動。ここにはアルカリ性の白濁した「露天の湯」がある。強酸性の湯で肌が荒れたときに入ると効果があるという。

玉川温泉 旅館部 玉川温泉・新玉川温泉ともに温泉内に玉川温泉研究会付属診療所が設置され、専門の看護師が湯治相談に応じてくれる。湯治は一般的に9〜10日位が普通の滞在期間と言われる。効果をあげるためには出来れば2〜3週間が好ましい。ただし、玉川温泉の場合は強酸性で肌への刺激も強いため、初めての方は泉質が合うかどうか2〜3泊のお試し湯治をしてから、長期滞在を検討した方がよいだろう。
 また、例年11月下旬から4月中旬までの期間は国道341号が前面通行止めになるため、アクセスは路線バスにて新玉川温泉止まりとなる。(1日3便・新玉川温泉−玉川温泉は雪上車にて送迎)冬期に宿泊の際は交通に注意が必要だ。
(2004年5月)



 
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(秋田県仙北郡田沢湖町)


《近隣施設》
ぶなの森玉川温泉 湯治館そよ風
(秋田県仙北郡田沢湖町)

※参考書籍紹介

私たちは玉川温泉で難病を治した
最後の望みを賭けた感動の証言集

田中孝一著
税込価格:1,365円(本体1,300円)/出版:二見書房




ガン、糖尿病、リューマチ、脳梗塞後遺症、不眠症、皮膚病、ハンセン氏病などに効果をもたらす秋田県の秘湯「玉川温泉」。最後の望みを玉川温泉に賭け、病から蘇った21人の体験談を収める。
→温泉関連の書籍紹介
→飲泉のすすめ

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