マツノヒデマサの
日光街道・奥の細道を歩く

日光街道を歩く 第10回
東武日光駅〜東照宮・裏見の滝・含満ヶ淵
2006年6月8日

 芭蕉が日光東照宮を訪れたのは、寛文12年(1672年)の陰暦で4月1日(陽暦で5月19日)だった。私の旧道歩きと時期的にさほど差が無く、初夏の青葉薫る絶好の季節だ。自宅を4時半に出て、新宿駅に向かう。
 3月18日に開業した東武電車のJR乗り入れで話題を賑わしたスペーシア日光1号に新宿駅(7時12分発)で乗り込んだ。1月から歩き始めた旧日光街道もいよいよ日光東照宮へ。120kmの道のりも特急だとわずかに2時間。窓外の景色を眺めながら、まるで早送りの記録フイルムを見ているようだ。東京の天候は晴れ、北へ向かうに従い次第に曇り空。予報では宇都宮の15時からは雨。新宿駅口内で購入した黒糖入り黒プリン形パン菓子をお茶請けに車内でコーヒーをいただく。車窓に見る田んぼの稲は、面になった濃い緑色から畝の線の緑に変わる。北のわずかな寒さが稲穂の色に表れる。

スペーシア日光1号

 9時13分に東武日光駅に到着。5月23日自宅の庭掃除でぎっくり腰になってしまい、その後3回の添乗業務をこなし、辛い痛みの時期もあったので、今自由に歩ける喜びをかみしめている。

2体の地蔵(龍蔵寺)


西行戻り石
日光の標高は543mでかなり肌寒い。龍蔵寺境内に入り、左手に2体の地蔵を詣でる。裏道に出て、稲荷神社の一角にある「西行戻り石」を見る。元はこの敷地の東側にあったそうな。40年前に敷地が売買され、この地に移転したと聞いた。すぐ北に虚空蔵尊がある。寛永17年(1640年)建立の御殿造り本朱塗り極彩色の社殿はとても目立つ。栃木県文化財指定。

本道に戻り、お城造りの日光市役所を過ぎると朱塗りの神橋が見える。左手に日光物産商会の大きな旧商家造りの見事な建築物が団体観光客を迎えている。左上に板垣退助の立像が、対面には天海大僧正立像が鎮座する。
 神橋は平成9年から8年がかりで、総工費8億円をかけての大修理が終わり、橋桁の下まで公開中(4月〜11月30日)である。

 両岸の石造りの橋脚につながれた樹齢400年もの巨木乳ノ木(ケヤキの一種)の橋桁は迫力満点だ。神橋の形は江戸時代の初期に現在の形になったという。

神橋

神橋


 表参道の階段を登ると勝道上人立像をすぎて、すぐ輪王寺三仏堂にでる。通過して広い参道を右折すると、東照宮入り口。隣接する輪王寺大猷院には大型バスが押し寄せていた。天候が心配なのでまず、裏見の滝へ急ぎ、二荒山神社へ急ぐ。参拝すると今度は西参道を経て街道へ戻り、北上する。左手に広大な日光田母沢御用邸記念公園。右手に日光金谷ホテル発祥の地を過ぎる。延命地蔵(犬牽き地蔵尊)、日光市民病院を過ぎてY字路を右折。ここの裏見の滝まで2.5kmの表示がある。ここから往復で5kmいくということだ。芭蕉はなぜ、あえて日光東照宮から遠く往復8kmもの場所へ行こうとしたのか?
 

東照宮入り口
    
                   裏見の滝 
 裏見の滝まで淡々とした上り坂で、手前500mのところに駐車場があり、切れ目無く車で訪れる人がいる。そこからは階段のある山道で、400年も前の山道はいかばかりだったのか苦難の道乗りに思いを馳せる。山奥に入るにつれて霧が深くなる。荒沢川にかかる高さ45m、巾2mの滝の飛沫がいっそう霧を深く演出する。今は滝の裏見をするような径はない。
      
                             大谷川が浸食して出来た奇岩

芭蕉はここで「暫時(しばらく)は 滝に籠(こも)るや 夏(げ)の初(はじ)め」と句を詠んだ。滝の手前に苔むした石仏が鎮座する。駅までの道のりの天候が気になり、早々に街道からの分かれ道まで駆け戻る。12時14分に到着する。往復5kmを1時間5分で歩いたことになる。
うどんや縞屋で天ざるうどんセットを注文する。こしがある美味しいうどんで、揚げたての天ぷらも美味だ。

 含満ヶ淵の道筋を確認し、店を出る。大谷川に架かる橋を渡り、川沿いに進むと桜の木が繁る公園に出る。ニッコウキスゲが黄色い可憐な花を咲かせる。突き当りの慈雲寺の門をくぐると含満ヶ淵に出る。
 含満ヶ淵は、男体山の噴火で流出した溶岩流を大谷川が浸食して出来た奇岩で、水の勢いが造る景観は、流石に人の見る目を奪う。

うどんや縞屋
奥には百前後の石仏が並び、行きと帰りに数を数えると数が合わないので「化け地蔵」とも呼ばれている。この厳粛な奇岩奇勝の地にふさわしい伝説として語り継がれたのだろう。


化け地蔵

 
 神橋前を通り、霧降高原入り口方面へと歩を進める。途中3人組の女性たちに「明治の館」はどの方向になりますか?」と道を訪ねられる。米国貿易商人の別荘として建てられたレトロ調の石造りの館で、西洋料理の店らしい。ハイキングの様相とグルメ志向の中年女性達の流行を感じさせる。
霧降高原入り口の次の橋を渡り、東武日光駅に14時30分に戻る。

 新宿行きの特急乗り継ぎ便は15時18分発なので、駅前の「カフェ・デュ・レヴァペールかまや」でマニュショコラとコーヒーセットをいただいた。天井が高く、広い店内、自家製のケーキとヨーロピアン風カフェで優雅なひと時を過ごす。

 下今市でスペーシア号に乗り換える。下今市駅の手前で、右手に杉並木公園の水車群が目に付いた。5月9日の旧道歩きで通過して、見学が出来なかった公園だ。(2006.6)

マニュショコラ


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写真の位置

スペーシア日光1号  001
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2体の地蔵(龍蔵寺) 004
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西行戻り石      010
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神橋   021
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神橋   029
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東照宮入り口  037
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裏見の滝    049
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  059
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大谷川が浸食して出来た奇岩 070
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化け地蔵    075
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