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源泉の泉温が25℃以上、または鉱水1s中に温泉法で指定された物質のうち、1種類でも規定量以上の物質が含まれているものを「温泉」といいます。2つのどちらかを満たしていることが条件のため、25℃以下の冷たい湧き水でも温泉と呼ぶことができます。
温泉法第二条 |
地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で、別表に掲げる温度または物質を有するものをいう。 |
温泉の泉質は湯に含まれる物質によって大きく9つに分類され、湯の特徴を示しています。自分の体調や症状と照らし合わせて、温泉選びの参考にしましょう。日本の温泉は温泉法によって、「温泉分析表」の掲示が義務付けられ、その泉質がどのタイプになるのかを必ず明示しなければなりません。ただし、同じ泉質でも実際の湯に含まれる成分は微妙に異なるため、全く同じ温泉は存在しないと言われます。
放射能泉(ラジウム泉・ラドン泉)
放射能を発するラドンを有する。ただし、ごく微量の放射能は人体に良い影響を与えることが実証され、放射能は気体で湧き出した後は空気中に散ってしまうので心配はない。入浴とともに吸入が効果的な療養法。
効能 |
高血圧症・動脈硬化症・慢性皮膚疾患・慢性婦人疾患によく、入浴と飲泉で痛風・慢性消化器病・神経痛・胆石、筋肉痛・関節痛に良い。 |
温泉名 |
母畑温泉(福島県)・みちのく霊泉(福島県)・村杉温泉(新潟県)・増富ラジウム温泉(山梨県)・猿投温泉(愛知県)・三朝温泉(鳥取県)など |
二酸化炭素泉
炭酸ガスが溶けている温泉で、25〜30℃の低温が多いが保温効果が強い。入浴すると炭酸ガスの泡が肌につき、その気泡が弾ける刺激で血液の循環が促進される。飲用するとサイダーのような咽越し。
効能 |
高血圧症・動脈硬化症・運動まひ・筋肉痛・関節痛・打撲・切り傷・冷え性・更年期障害・不妊症によく、飲泉では慢性消化器疾患・便秘症に良い。(下痢の時は飲泉を禁ずる) |
温泉名 |
長湯温泉(大分県)など |
酸性泉(明ばん泉)火山の噴火口付近に湧く日本特有の泉質で硫酸・塩酸・ほう酸等を含んでいることが多い。殺菌力が強く皮膚病などに良く効く反面、湯ただれを起こすこともある。肌の弱い人は入浴後真水で洗い流すこと。
炭酸水素塩泉(重曹泉・重炭酸土類泉)カルシウム・マグネシウムを多く含むカルシウム(マグネシウム)炭酸水素塩泉と、ナトリウムを多く含むナトリウム炭酸水素塩泉に区別される。肌がなめらかになる冷の湯。浴後、清涼感がある。
鉄泉(含鉄泉・銅泉)鉄分を多く含み、湧出時は無色透明だが、空気に触れると鉄分が酸化して赤褐色に変化する。源泉に近い無色のお湯の方が効果が高い。無色透明の湯を飲泉すると貧血に効果がある。
効能 |
月経困難症・筋肉痛・関節痛・更年期障害・慢性皮膚疾患に良い。飲泉で貧血症・慢性消化器疾患・痔疾に良い。強酸性の鉄泉は乾燥肌の人には向かない。 |
温泉名 |
須賀谷温泉(滋賀県)など |
硫酸塩泉(石膏泉・芒硝泉・苦味泉)動脈硬化の予防になる中風の湯。無色透明で飲むと苦味がある。含有成分により、カルシウム硫酸塩泉(石膏泉)、ナトリウム硫酸塩泉(芒硝泉)、マグネシウム硫酸塩泉(苦味泉)に分かれる。
硫黄泉(硫化水素泉)卵の腐敗臭のような臭いは硫化水素によるもの。硫黄は空気に触れると沈殿し白濁するのが特徴。刺激が強い泉質で湯あたりも起こしやすく、肌が弱い人や高齢者の入浴は注意が必要。
効能 |
高血圧症・動脈硬化症・慢性皮膚疾患・筋肉痛・関節痛・痔疾などに良い。飲泉では慢性消化器疾患・糖尿病・便秘症・痛風などに良い。乾燥肌の人には向かない。 |
温泉名 |
野沢温泉(長野県)・信州別所温泉(長野県)など |
塩化物泉(食塩泉)海に囲まれた日本で最も多い泉質のひとつ。食塩を多く含んでいるので、なめると塩辛く入浴後には塩分が肌に付着して汗の蒸発を防ぎ保温作用を高める。高齢者向きで良く温まる熱の湯。
単純温泉
泉温が25℃以上で、源泉1s中の含有成分が1000mgに満たないもの。無色透明で刺激が少ないため、入り心地が良く、病後・術後・骨折などの療養に向いている。名湯と呼ばれる湯が多い。
温泉が地上に湧出した時の泉温・pH値によっても下記の通り分類されます。
温度 |
冷鉱泉 |
低温泉 |
温泉 |
高温泉 |
25℃未満 |
25℃以上
34℃未満 |
34℃以上
42℃未満 |
42℃以上 |
pH値 |
酸性 |
弱酸性 |
中性 |
弱アルカリ性 |
アルカリ性 |
pH3未満 |
pH3以上
6未満 |
pH6以上
7.5未満 |
pH7.5以上
8.5未満 |
pH8.5以上 |
療養・湯治の温泉宿
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