マツノヒデマサの温泉巡浴の旅 |
2005年9月2日〜4日 |
2005年9月2日〜4日にかけて第五回温泉学会が銀山温泉・尾花沢市で開かれ、9月3日からの参加のついでに新庄市周辺の温泉巡りを行った。 9月1日8(木)22時50分に東京駅八重洲口からハイウエイバスに乗り込む。ハイウエイバスで新庄に行き、レンタカーで温泉めぐり、9月3日・4日は第五回温泉学会に参加、4日に山形新幹線で帰京するという計画は前日に急遽決め手配をした。 9月2日午前6時30分に新庄駅前に到着する。JR駅レンタカーの営業時間は8時30分、それまでは駅で過ごす。コンビニでサンドイッチを購入し、衛星放送の大リーグのヤンキース戦を観戦。天候は雨で、レンタカーでの移動が思いやられる。駅構内に情報センターは営業時間外でクローズであったが、外のパンフレット置き場に、「自然大好き、温泉大好き、山形最上めぐり」地図入りパンフレットがたまたま一枚あった。新庄周辺の13ヶ所の温泉地紹介が書かれていた。これを北から一気に攻めようと思う。 8時30分からレンタカーを駈って、まず @神室温泉・ホットハウスカムロへ 県道13号線を16キロほど北上、金山町役場を右折し、さらに10キロ走る。田園地帯で遠くに山々を遠望する美しい風景だ。 A新真室川温泉・関沢荘 県道13号線の西へ移動する。10時到着。客室5室の一軒宿で関沢荘は30数年の歴史を持つ。もともと昭和石油採掘業者がボーリングをしたところ温泉が出た。 新真室川温泉・関沢荘 32.8℃のナトリウム‐塩化物泉 Bまむろ川温泉・まむろ川温泉梅里苑
フロントの女性に聞くと「そうなんです。確認の仕様がなく、不公平感を感じるという入浴者の声も聞かれ、前から問題になっているんです」肘折温泉の話をむけると「かつて12月に友人といったときに帰りに大雪に降られ、車が滑って大変な思いをしたことがあります」 C羽根沢温泉・旅館加登屋 まむろ川温泉から12キロほど南下し、鮭皮村役場を西に8.3kmの行き止まりに羽根沢温泉がある。11時45分到着。大正8年石油発掘の際に地下648mから多量の天然ガスを伴って湧出した温泉である。
D野口温泉・いきいきランドぽんぽ館 10km南下したところに戸沢村経営の日帰り入浴施設がある。12時25分到着。総合クアリゾート施設で大浴場、砂風呂、薬湯、サウナなどの温泉施設と水着で楽しめるプールやジェットバス、ウォータースライダーもある。入浴料は350円。先に2階のレストランで昼食をとる。含重曹・弱食塩泉で大浴場はつるつる感があるが薬湯には感じられない。砂風呂は、細かく砕いた自然石とセラミックスを混ぜ合わせた特質な微粒石で70℃以上の源泉で10時間滅菌し消毒・温度調整をしている清潔な砂を使用しているとか。指圧と蒸す効果の相乗効果が期待できる。効能は創傷、リウマチ性疾患、運動器障害、湿疹角化症など。 E新庄温泉・旅館あぶら山 さらに10km南下した国道47号線南に新庄温泉がある。37.8度の含ホウ酸ブロームヨード質弱食塩泉で加温・掛け流し。フロントで女将さんに領収書を請求すると「領収書なんて初めて言われた」と驚かれた。入浴料400円。ナトリウム3396mg、メタケイ酸37.8mg、塩素イオン4076mg、炭酸水素イオン2860mg含有する37.8度の含ホウ酸ブロームヨード質弱食塩泉。眼下に最上川を望む浴室はタイル張りで加温・掛け流し、塩素臭は感じられない。効能は神経痛、リウマチ、筋肉痛、関節痛、運動麻痺、打ち身、くじき、慢性消化器病、痔疾、病後の回復など。 F黄金温泉・カルデラ温泉館 国道47・458号線経由約25kmで肘折温泉手前の湯の台牧場を経由し肘折トンネルを越す。つずらおりを下って肘折温泉をいったん通過する。また上って郷黄金温泉に到着。カルデラ温泉館は木造の母屋に連なる温泉棟があり、フロントで入浴料を350円支払おうとしたが、「肘折温泉湯めぐり手形」が目についた。これを千円で購入し、肘折温泉の3ヶ所のホテルや入浴施設の入浴と絵付け体験ができるというお徳な手形。肘折の個性的なホテルに入浴しようとこの手形を購入した。左側に突き当たり、浴舎入り口には立派な炭酸泉飲泉所がある。これは7.8度の単純炭酸泉。65.5度のナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉はナトリウム723.6mg、塩素イオン1039g、炭酸水素イオン558.7mg、メタケイ酸135.9mgメタホウ酸64.8mg。石造りの内風呂は吹き抜けのすばらしい浴舎で隣接して露天風呂がある。加水・掛け流しで加温なし・塩素消毒なし。炭酸泉の効能は高血圧症、糖尿病、動脈硬化症、冷え性、美肌効果、関節リウマチ、坐骨神経痛、運動器障害など。炭酸水を飲むと胃酸を中和し、胆汁分泌を促すので胃腸や膵臓の働きを活発にする。又、神経や筋肉の興奮を静めたり、神経の緊張を改善する作用がある。宿は朝日館、旅館金生館、井沢旅館の3軒。 G肘折温泉・若松屋村井六助・つたや肘折ホテル・優心の宿観月 まずは肘折温泉街を散策する。狭い道路の両脇に土産屋と旅館がひしめき、旅館前には足湯や源泉所がある。 肘折温泉では宿泊ホテル以外に、散策ついでに、つるや肘折ホテルと優心の宿・観月の2ヶ所で入浴をした。つるや肘折ホテルは、昔ながらの湯治場の雰囲気をよく残す本館の大理石風呂宝泉が素晴らしい。更衣室が別々で湯船は混浴で、半ば恐る恐る、半ば期待しながらの入浴だった。真ん中に大岩がどっしりと鎮座しその中から湯が湧き出ている。優心の宿・観月は、川側に向けた肘折唯一の展望露天風呂があり開放感満点。散策は銅山川に沿った源泉公園に行った。小屋掛けの中にコンクリ造りの球体があり、そこから熱湯が注ぎ出ている。コップが二個の載せられていて、コップに注いで口にしてみる。強い塩味がする。さらに進むと大きなコンクリに覆われた源泉球体があり小さい三角窓が幾つかついている。そこから中を覗き込むと、熱湯が間断なくぼこっぼこっと噴出しているのが見える。自然のなせる胎動の様を見せられた思いで、自然の恐れを感じた。 若松屋村井六助に戻り、18時30分に夕食膳を部屋に運んでもらった。食事は山奥なのに海の幸もでる豪華なもので少々驚いた。425号室(いちょう)の私の部屋は、8畳に広縁・床の間・トイレ付きで、冷蔵庫・テレビもある。真新しい畳にトイレはあったか便座で驚いた。本館はエレベーターがあり、別館へは2階で連絡される。電気やガス、鍋が揃う調理室があるが、今はほとんど使われず食事付きだそうだ。詳しい肘折温泉と宿の紹介は「療養温泉突撃取材 肘折温泉」に書いたので、参照して欲しい。 翌日、早めの食事のあと、尾花沢市共同福祉施設で開かれた温泉学会第5回大会に参加し、夕方4時30分まで集中して報告を聞いた。尾花沢から北東に20km走り、山刀伐峠を越えてすぐの赤倉温泉に宿を取った。 H赤倉温泉・あべ旅館 温泉学会を多少早めの16時30分に会場を出て、30分ほどで到着する。あべ旅館は、道路を挟んだ両側に本館・別館が建つ。玄関の看板を見て驚いた。温泉学会様の看板がある。温泉学会主催者達の30名ほどがこの旅館に泊まるようだ。流石に選択眼が高い。こ温泉は小国川の両側に開けた温泉街で東北一の湯量を誇る。芭蕉の奥の細道が敷地内を通るというからすごい。58.9度の単純泉で、足元湧出の岩風呂が自慢の宿。源泉掛け流し・塩素殺菌無しがいい。この温泉地には町営で温泉付き長期滞在型マンション「せんしん館」がある。1ヶ月単位で借りられ、調理器具も揃っている。 I舟形町の舟形若鮎温泉 翌日9月4日は7時30分に宿を出て、舟形町の舟形若鮎温泉に向かう。カーナビが2〜3km手前で検索放棄をするので、途中何度も道を聞きながらようやく到着する。入り口に大きな鮎が跳ねるモニュメントが立つ。あゆっこ村の「舟形若鮎温泉清流センター」は、立派な温泉施設で、宿泊施設でコテージ、バンガロー、テニスコート、多目的グラウンド、キャンプ場もある。泉質はナトリウム-塩化物強塩泉で、効能は創傷、火傷、皮膚病など。源泉掛け流し・循環・塩素消毒ありで、塩素臭がとても強い。 こちらから温泉学会の開始時間9時00分ぎりぎりで会場に到着する。今日は台湾温泉学会の代表が発言をして注目を集めたが、渡される資料が不十分で物足りない。通訳も役割を果たせてなく、日本語を聞き分ける能力が無い方だったのはとても残念だった。午後に銀山温泉に立ち寄る。すでに何度か行っていたが、能登屋旅館以外の銀山荘、古山閣、昭和館の写真撮影が目的だった。唯一の露天風呂を造った昭和館の露天風呂の撮影を頼んだが、ちょうど清掃中でよい写真が取れなかった。後でメール送信してもらうことにする。瀧見館での十割そばセットを賞味し満足の昼食であった。 午後から雨模様で、奥羽金沢温泉に入浴してから新庄駅に戻るつもりだったが、雨が強くなったり、温泉学会会場に上着を忘れたりと意欲をそがれて、早めの新幹線で帰京することになった。(2005.9) |