韓国周遊6湯温泉巡浴3泊4日
2001年1月 阪急交通社が温陽温泉、儒城温泉に宿泊するコースを組んでいたので参加した。今回は温泉巡浴の他に、なぜ安くできるかの調査体験でもある。
2001年1月31日出発、成田で早速ドジを踏む。寝ぼけまなこで、第一ターミナルで下りるところを第2で下りてしまった。移動するのにこんなに不便だとは気が着かなかった。受付を済ませ、機内預けの手荷物は自分で運ぶ。成田からの添乗員は着かない。KE-704便ソウル行き 13時55分発、10分遅れで出発。満席で、若い女性客が多いのに驚く。14時頃機内食に、ハンバーグが出る。
16時45分着予定だが、人数が43人とかで集合が遅れ、ようやく7時45分に全員集合でバスに乗車。ソウルは寒く雪が舞っている。札幌と同じくらいだからしょうがないか。ガイドはベテランの女性で、全(ちょん)正玉さん、バスの運転手は李さん。ソウルは20年ぶりの大雪で、17年ぶりの−18.5度まで気温が下がった。
*温陽温泉
高速で真っ暗闇を突っ走り、19時55分に温陽グランドホテル到着。すぐ2階のレストランで食事を採る。2人組みの女性との相席で焼肉・プルコギにビールを頼む。ビールは5000ウォン(500円)彼女達は焼酎真路を頼み、ストレートで飲んでいたが、日本の真路よりアルコール度が弱いようだ。キムチは食べ放題で、プルコギを2人前追加、(1万ウォン)サンチェにくるんで、たらふく食べた。ガイドさんの説明で、21時までに大浴場に入場しないと入れないというので、部屋に入るやいなや、洗面用具だけを持ち1階フロント裏の大浴場に突っ走る。宿泊者は入場料は50パーセントOFFで2100ウォンを受付で支払い、ロッカーのカギをもらう。韓国の温泉浴場は大体この方式だ。湯船は内湯が3箇所、水風呂1箇所、露天風呂1箇所、サウナもある。とても立派な設備だ。>温陽(おにあん)温泉(おんちょん)は韓国最大の温泉街で、今から約600年前の高麗時代末期に発見された。この地に住む農夫が冬になっても凍らなかった土地を不思議に思い、そこを掘ってみると熱い湯が噴出した、という話が伝えられる。その後、歴代の朝鮮王朝歴代の王が行幸したそうで、観光温泉ホテルの庭に、「神泉」碑がある。これは1458年春、朝鮮王朝第七代世祖王が皮膚病を治すため、温泉里に滞在した時、新しい湯を見つけた。このことを記念したものだ。泉質はアルカリ性の単純炭酸泉で、泉温は42〜58度、ゲルマニュウム、硫酸カルシュム、重曹、炭酸カルシュウム、硫酸マグネシュウム、重炭酸鉄などが含まれる。効能は胃腸、神経痛、皮膚病、貧血、血管硬化症、婦人病など。ところで湯船からあがって、ロッカーに行ってみるとカギが無い。あれー?カギはどうした?確かに受け付けのおやじにカギをもらった事は覚えているが、どこへ行った。受付のおやじに言っても、言葉がわからない。仕方が無いのでフロントに電話をしてくれと私はわめいた。おやじはぐずぐず言っていたが、ついにフロントにいるガイドの全さんが出て、私の身分を証明してもらい、カギを出してもらった。その間、私はタオル1枚のすっぽんぽんで体はすっかり冷えてしまった。結局のところ、私がカギをつけたまま湯船に行ってしまったらしく、そのカギをおやじが取ってしまっていたという訳だ。それならそれと早く言ってくれよ!>フロントに戻り、明日の予定について相談した。近くの道高(どーこ)温泉に入浴できないかと聞くと、可能だという。タクシーで片道1〜1.2万ウォン、時間は片道25分位。牙山温泉は?同じ位という。とにかく朝、タクシー会社に交渉してもらうことにした。フロントマン・ウーマンは何人か日本語が話せる。複数の人が話せるのは心強い。2年前から阪急交通社がこのコースを開発して以来だという。これだけのホテルの設備に、温泉、人材があれば日本人客の誘致も容易だ。
アクセスは、長項線のソウル駅から温陽温泉までセマウル号で1時間10分、ムクンファ号で1時間25分かかり、1日8便運行。高速バスでは、ソウルの江南高速バスターミナルから温陽温泉まで1時間30分。
*道高温泉
翌2月1日、2日目朝5時20分にフロントに行き、タクシーの交渉を頼む。まず私の希望、温陽〜道高温泉駅〜道高温泉入浴〜牙山温泉入浴〜温陽を4万ウォンで交渉してもらう。入浴時間の待機時間はそれぞれ15分にして、合計2時間位。結局五万ウォンに落ち着いた。5時45分に、女性ドライバーが来て、ホテルを出発。でてすぐ、同僚のドライバーと口角泡を飛ばしての長いおしゃべり。うんざりして不機嫌な顔をすると、ようやく気づいたのか、日本語で「すみません。」の一言。>まだ真っ暗闇を時速60〜80キロで走り、6時07分に道高温泉駅に着く。下車して道高温泉駅から温陽駅までの切符(1枚1100ウォン)を2枚購入した。駅員は「7時06分発だがいいか?」と念を押すが、私は「OK!OK!」。道後温泉駅からの切符といっても、ハングル語で書かれているので、私には読めない。ハングル語が解らないのによく買えた?そう、事前にフロントで会話フレーズをメモ用紙に書いてもらっていたのだ。*道高温泉駅に行ってください。*温泉に入りたいのですが、いくらですか?*何時から入浴できますか?*牙山(アサン)温泉までタクシーで何分かかりますか?いくらかかかりますか?・・・・。駅舎の写真を撮り、早々に道高温泉に移動する。5分もしないで、道高ロイヤルホテルに到着する。そこで先ほどのメモ用紙を見せると、理解が早い。フロントで入場券を5000ウォンで購入し、大浴場に移動する。入場券を受付で渡し、ロッカーの鍵をもらう。湯船は5つ、温度差のある湯船に、水風呂、ジャグジー風呂、薬草風呂、サウナと薬草サウナ。薬草サウナには、枕が3個あり、横になって休めるようになっていて、勿論垢すりもある。浴室とは別に、トレーニングジムや理容室もある。内部の写真を撮り、係りの人に「入場券を記念にほしい」と訴えると、フロントに行けという。フロントでしばらく待たされたが、別に作ってくれた入場券を渡してくれた。道高温泉は、東洋4大硫黄温泉の一つとして知られ、単純硫黄泉、泉温は25度と低く加熱している。新羅時代から薬湯として有名で、約200年前にある農夫が薬水を発見して、顔を洗ったところ眼病が治ってしまったという。本格的な開発は、1921年日本人の高木某氏によるといわれる。彼が河川で砂金の採掘をしていると、岩盤の割れ目から温水が湧き出しているのを発見した。その後、道高ホテルのオーナーがボーリングで40度の温泉を掘り当て、開発の速度を速めた。道高温泉の効能は、婦人病、皮膚病、糖尿病、リュウマチ等。硫黄は解毒作用があるので、金属中毒、薬物中毒にも効能あり。アクセスは、長項線のソウル駅から道高温泉駅までムクンファ号で1時間40分、1日4便。
*牙山温泉
6時40分にホテルを出て、牙山(アサン)温泉に向かう。途中まで戻り、山に道に入る。1987年に新しく開発された温泉で、重炭酸ナトリュウムを含む20余の成分を含むアルカリ性単純泉。血液循環促進、神経痛、関節病、高血圧、胃腸病、中風、皮膚病に効能あり。5800ウォンで入場券を購入する。1500人のお客が利用できる規模の大浴場を持つ、浴室は3箇所、サウナ1箇所、垢すりもある。湯は滑らかで、つるつるする。ここで髪も洗った。周りは雪景色で、山々・・・。
相当の山奥で、一車線を無信号で10分走り、やがて片側二車線の道路に出る。
7時47分に温陽グランドホテルに到着。丁度2時間の予定通り、ドライバーに五万ウォンとチップを5000ウォン出すと思わず彼女はにっこり。牙山温泉までのアクセスは、温陽駅より陰峰・霊仁・屯浦行きのバスで20分かかる。
*儒城温泉
8時からの朝食に間に合わせ、8時30分忠清南道の百済の古都扶余(ふよ)に向け出発。午前は定林寺跡、扶蘇山城を見学。百花亭から静かな白馬江を眺め、凍った道を下り、白馬江下りで戻る。昼食は、参鶏湯(サムゲタン)を中心とした食事。昼食後は、公州(こんじゅ)の百済25代王武寧王陵、国立公州博物館を見学。雪道、しかも風が強く寒い!16時50分に儒城(ゆそん)観光ホテルに到着。儒城観光ホテルの部屋は、伝統的なオンドル部屋だ。これまで韓国にいくお客にオンドル部屋を紹介したことがあったが、自分が泊まったことが無かったのでうれしい。床に温水を張り巡らせた床暖房で、温度調節に難がありそうだ。夜に暑すぎるので、フロントに電話をしたが、少しは温度が下がったが、どうも自分の体調にマッチした調節ができない。夕食は韓国風しゃぶしゃぶで、また同じメンバーの相席で、よく食べ、よく飲んだ。今日は多少時間の余裕をもって入浴を楽しんだ。1階のフロントと反対側のアウトガーデンを通過した別棟の大浴場に行く。仕組みはどこも基本的に同じだ。儒城温泉は朝鮮王朝の歴代の王が、鶏龍山(けりゅうさん)に行幸した際に滞在した湯で、韓国でも有数の温泉。1920年に日本人の鈴木某氏により再発見されたと言う。この儒城観光ホテルの前身の旧館があった場所に湯が出ているのを見つけ、開発した。いまでは、リベラ儒城、儒城観光ホテル、アドリア等80軒の旅館がある。地下600mから湧き出る45度のアルカリ性単純放射能泉。鉄分、カルシュム、硫黄を含む。効能は、神経痛,リュウマチ、小児麻痺、胃腸病、関節炎、糖尿病など。儒城観光ホテルの自慢の温泉サウナ、今ではどこでも当たり前になった超音波とアブクのジャグジーは早くから作られた。儒城温泉のアクセスは、ソウルから京釜線のセマウル号、ムグンファ号、統一号等の便で1時間45分、さらにタクシーで15分。直行バスは、ソウル江南総合ターミナルから5分おきに出て、1時間45分。今日は温泉に3箇所入浴し、疲れたので早く休む。
*隆昌シーランド
2月2日、今日の観光は、世界文化遺産に指定された水原の東洋初の城郭を見る。すぐ団体と分かれるつもりで、ガイドさんに、よく使うフレーズを又メモにハングル語で書いてもらう。9時45分、タクシーを呼び、水原駅まで送ってもらう。
予定では、仁川(インチョン)の隆昌(ユンチャン)シー・ランド、次に京畿道(キョンギド)披州(パジュ)市、月竜(ウオルリョン)の金剛山ランドの2箇所だ。最初の関門は、隆昌ランドに近い駅、済物浦(チェムルボ)駅までの切符が買えるか?だったが、例のメモのおかげで、青年の手助けでクリア。9時45分発の列車に乗る。九老(12個目の駅)乗り換えで、料金は、1300ウオン。済物浦着は10時40分で約1時間かかった。シャトルバスが出ていると言うが、面倒なのでタクシーを頼む。20分ほどの乗って、11時35分に隆昌シー・ランドに到着、2700ウォンを支払う。ドライバーはここを知らなかったらしく、携帯電話で住所を確認していた。大きな建物だ。6000ウォンで入場券を買い、2階の入場券を渡し入る。ロッカーに荷や貴重品を入れ、鍵を持って入浴するのは、これまでの温泉と同様。1〜2階にわたる浴室は、湯船が5箇所、2階にサウナが韓方サウナ、乾式干潟サウナ、麦飯石湿式サウナの3箇所、岩風呂に檜風呂もあり、特に檜風呂は人気らしく隙間無く入浴中だ。
1階では垢すりもやっている。地下200mから引き上げた温泉で、婦人病や成人病、肥満、水虫、湿疹、皮膚病等に効くとされる。シャトルバスが13時発なので、時間調整に近くのレストランで、コムタンとキムチを頼む。
*金剛山
ランドシャトルバスは、住宅、商店街を抜け最終地点の済物浦駅には13時30分。地下鉄ソウル駅行きの切符を購入し、すぐ乗りこむ。車内では、若いアベックがカップヌードルを持って食事する風景が・・・。周りは、それをうさん臭そうに、眺める若い女性達。ある駅から乗りこんできた男性が、商品を沢山乗せた商品を、突然大声でセールスを始めた。カーペットの掃除器らしく、カーペットの金属片をその掃除器で吸い取ると言うもの。売れてはいなかったが。ソウル駅を乗り越してしまい、披州市月竜行きのバス停留所が解らない。ついに、破れかぶれで、交番に駆け込む。おまわりさんに、案内を請い、1300ウォンの切符まで購入してもらい、ついに16時05分発のバスに乗り込む。その場所を探し当てるまで1時間もかかったことになる。その頃は雪が舞うほどの寒さだ。月竜(ウォルリヨン)目指して走る走る。1時間過ぎた頃、まだかまだかと窓外のバス停を眺めても、表示がハングル語では解るわけが無い。いよいよドライバーに聞きに行くようかな?と思っていた頃、17時20分、一番前に座っていたおばあさんが、振り向きざま「ここだよ。」と教えてくれた。これには、驚くやら、うれしいやら。いっしょに下りた年配のおじさんに、「温泉で、金剛山(クムガンサン)ランドはどこか?」と聞くと、彼も行くと言う。シャトルバスがくるので、しばらく待ちなさい、と近くの看板を指差す。そこには、温泉マークにハングル語が続き、900mとある。この偶然にも驚いた。私はなんというお調子ものだ。自分のツキが怖いくらい?入場券は6000ウォン支払う。とにかくここも広い。内湯だけで横18m、長さ44mもあり、湯船は4箇所、サウナは玉サウナ、黄土サウナ、不老汗蒸幕(ハンズンマク)の3箇所、露天風呂に薬草風呂が他にある。黄土サウナに入る。丸いドーム状の黄色の壁、床には丸太木の椅子があるが、じかに座ると熱い!タオルを敷いてから腰を下ろす。高床の板に枕が用意されている一角がある。いかにも長い時間利用できる仕組みか?浴室には珍しく、タイル絵があった。山水画と南洋の女性を描いたものだ。また室内に、やしの木が4本実.を結んでいる。この大浴場は、紫外線を適度に遮断するガラスの天井を設け、自然光を取り入れている。案内嬢に、次のソウル行きのバスの時間を聞くと、「午後6時30分以降は1時間毎」らしい。その時間に合わせて、施設の前の物産店で油を売っていて、そこで買った300ウォンの
饅頭を食べながら、シャトルバスに乗り込むが、バスはなかなか出ない。「えー。これではソウル行きのバスに間に合わない。」と焦ったがどうしょうもない。結局、国道のバス停についたのは、午後6時45分。運良く、バスは時間に遅れてきたので、乗りこむことができた。助かった〜。ここから真っ暗闇をぐんぐんバスは走る。1時間すぎまでは、のんびりしていたが、地方で乗ったお客が、だんだん下り始め少なくなってくる。ソウルが近いんだな、と思った。そのうち、若い女性のお客がどんどん乗ってくる。そう言えば、窓外の景色が、どうも月竜に行く時に見た風景と似ている。と言うことは、又戻っているのか?ついにドライバーに、「ソウルは?」と身振りで聞くと、後ろを指差すではないか。あわてて次のバス停で下車する。循環バスだったのだ。
流しのタクシーを止め、とにかく明洞まで運んでもらう。料金5200ウォンを支払う。もう午後8時50分、衣料品街を散策し、丁度であった日本料理店で、キムチカツ丼と日本酒正宗を賞味。9時50分には、地下鉄5号線の駅に入る。地下鉄内でまた不思議な光景を見た。突然、1人の男が黄色いチラシを座席に座っている客に配り始めた。眠っている人にも。そして、大声で話し始めた。なんの宣伝かと思っていると、今度はそのチラシの回収をはじめた。結局何の宣伝だ?クワンナル駅で下車し、今日の宿泊場所の漢江ホテルに向かう。漢江に面したところで、途中には飲食店、カラオケ店もあり、この周辺で楽しむにも不自由はしない。ハングルがわからず苦労したが、地下鉄だけはローマ字の表示があるので、何とか理解できた。(2001年1月31日)
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